[No.1015-1]くすぐったい
No.1015-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「なんだよ~くすぐったいだろ?」
「なにひとりで、じゃれてるねん!」
彼女はやや離れた位置で花に水をあげている。
・・・ということは。
「まさか・・・」
「お化けちがうわ!」
“まさか”の一言だけでも適切なツッコミが入る。
さすが関西人だ。
「・・・だろうね」
「じゃぁ、誰だよ?」
その言葉は本当だ。
さっき、僕のうなじを誰かがやさしくなでた。
「誰じゃなくて、これやがな!」
「あぁ、やっぱり?」
まるっきり本気でボケたわけではない。
多少、余白を残した方が話が盛り上がりやすい。
「そりゃ、そうやろ!」
「この細いツルが触れたんや」
僕は僕でプランターの植物をじっくり観察中だった。
だから、そのツルに気付かなかった。
「それにしても、くすぐったかったよ」
しなやかに伸びているツルに触れてみた。
確かに、くすぐったくなる要素が満載だ。
「そんなことより」
「落ちた葉っぱとか拾っといてな!」
冬を目の前にして、本格的に植物たちが枯れ始めてきた。
それに伴い、落ち葉も増えて行った。
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