[No.1013-2]青臭い(表)
No.1013-2
彼女はすれ違いざまに顔を赤らめる。
そして、髪を整え直す。
「・・・のように見えるだけかもしれないじゃん!」
「くせで髪を触ってるだけかもしれないし」
確かに冷静に考えればそうかもしれない。
今までの話はあくまでも僕の主観に過ぎない。
「でも、すれ違う時は必ず・・・」
「たまたま・・・ってこともあるよね?」
そう言われれば元も子もない。
「自転車に乗ってるんだから」
「髪だって多少乱れるし」
漕いでるから顔も赤らむ・・・と言わんばかりだ。
「・・・だよな」
「でもね・・・」
どうやら続きがあるらしい。
「意識はしてるかもね」
「もしかして、それを恋と気付いてないかも」
ここに来て、急展開した。
それが本当ならうれしい。
「けどさぁ、あんた彼女のことが好きなの?」
「だってすれ違うだけなんでしょ?」
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