[No.1008-1]想い出のグラス
No.1008-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「あっ!懐かしいな・・・」
「どうしたの?」
引っ越しあるあるかもしれない。
荷造りの最中に色々な物を見つけては手が止まる。
「えっ!ウィスキー?」
「じゃなくて、こっちの方だよ」
確かに箱にはウィスキーの写真が載っている。
けど、中身はその隣のグラスだ。
「グラス?」
「そう!非売品のな!」
もう、20年以上前の出来事だ。
若き日頃、とあるコンビニオーナーと親しくなった。
「コンビニ?」
「うん、独身だったからさ・・・」
夕食は近くのコンビニでお弁当を買って帰る毎日だった。
そのせいでオーナーのおじさんと親しくなった。
「今思えば、親心だったのかな?」
帰りは、かろうじて“当日”だったことも珍しくなかった。
そんな僕を不憫に思っていたのかもしれない。
「もし、息子がいたら」
「あなたくらいの年齢?」
そう考えるのが自然だ。
いくら常連客とは言え、飲み屋さんではあるまいし・・・。
「で、ある日・・・」
非売品のグラスセットをもらった。
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