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[No.1006-2]読めないメモ

No.1006-2

「それなら、何か覚えてるでしょ?」
「それが・・・」

忘れないためにメモをとる。
でも、現実は忘れてもいいようにメモをとっている。

「一緒じゃないの?」
「いいや、後者は・・・」

メモに頼りすぎている面がある。
つまり、頭の中・・・記憶としては覚えていない。

「書いておけば安心!が裏目にでたのね」
「まぁ・・・そんな感じ」

気を取り直し、アレコレ考えてみる。
持って帰るもの・・・持って帰るもの・・・。

「・・・だめだ、思い出せないよ」

そもそも本当にそうなんだろうか?
メモと言うより、独り言を書いたとか・・・。

「そうね、何かのアイデアを書いたのかも?」
「無いとは言えないな」

そうなるともはや思い出すのは無理だろう。

「まぁ、生活に支障がないなら、それでもOKでしょ?」
「・・・そうだよな!」

後で響いてくる危険性はなくもない。
でも、どうせたいしたことないだろう・・・今はそう思うようにする。

「秋だから・・・」
「置き忘れた想い出を・・・なんて言わないでよね」

ロマンチストではないがそれも悪くない。

「とにかく、もう諦めるよ」
「そうね、ひょんなことから思い出すかもしれないし」

持って帰るもの・・・。
10年後、それが何か分かることになった。
S1006
(No.1006完)
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