[No.1006-1]読めないメモ
No.1006-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「あれ?何だっけな・・・」
あえて大袈裟に言ってみたい。
意味不明なメモほど役に立たないものはない。
「どうしたの?」
「いやぁ、手帳にメモしてあるんだけど」
それが何を意味しているか分からない。
分からないというより、思い出せないのが正解だろう。
「どこ?」
「ほら、ここに」
殴り書きで読めないわけではない。
文字としては余裕で判別できる。
「“持って帰る”って書いてあるね」
「何を?」
それが分からないから困っている。
「さすがに範囲が広すぎて」
せめて場所が書いてあれば大いにヒントになるのだが。
「おもしろくなって来たわね!」
「おいおい・・・」
明らかに目が輝いている。
いらぬ、スイッチを入れてしまったようだ。
「いつごろのメモなの?」
「そうか!確か・・・」
メモに日付は書いていない。
けど、何となく分かる。
「手帳は毎日開いてるから」
「2、3日前にはなかったはず」
そう考えると、ごく最近のメモということになる。
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