[No.1007-1]揺れた心
No.1007-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「・・・ん?」
微かだが今、揺れた気がする。
そんな時、決まってキョロキョロするのが人間だ。
「あっ!」
「・・・えっ!」
少し離れた席に座っている女子社員と目が合った。
「だよね?」
「うん、多分」
彼女の方から声を掛けてきた。
もちろん、何を言いたいのかは分かっている。
「みんな気付いてない?」
「そうみたい」
彼女は単なる同僚だ。
比較的近くに席があってもさほど親しいわけでもない。
「ちょっと調べてみるね」
彼女がネットで地震速報を確認し始めた。
「・・・あったみたいね!」
「やっぱり!」
不思議とホッとする自分が居る。
勘違いの可能性もあったからだ。
「勘違いじゃなくて良かったぁ~!」
どうやら彼女も同じ心境だった。
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