« [No.1009-1]突き抜ける空 | トップページ | [No.1010-1]何がなんでも »

[No.1009-2]突き抜ける空

No.1009-2

「今日、あの空の辺りに行ってみない?」
「いいね、それ!」

遠いと言っても、自転車なら行ける距離だ。
それに、ふたりの帰り道の方向にも近い。

「何か出来るのかなぁ~?」
「ビルが建ったりして!それも超高層の!」

そうなるとまた殺風景な景色に逆戻りだ。

「まぁ、その可能性は大いにあるわね」
「それも含めて確認しに行きましょ!」

個人的には公園でも出来ていれば最高だ。
ここからは到底見えないけれど。

「なんだか、ワクワクしてきたね!」
「ほんと、授業を受けている場合じゃないかも」

特に今は退屈な科目だ。
先生の声なんて、全然耳に入ってこない。

「けど、なんで最近まで気付かなかったんだろう?」

確かにそう言われてみるとそうだ。
取り壊したのなら、工事の途中も見えたはずだ。

「なんでだろうね」

もちろん、建物があったことが前提だ。

「多分、授業をまじめに聞いていたからじゃない?」
「今とは違って、よそ見をせずに」
S1009
(No.1009完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1009-1]突き抜ける空 | トップページ | [No.1010-1]何がなんでも »

(041)小説No.1001~1025」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1009-1]突き抜ける空 | トップページ | [No.1010-1]何がなんでも »