[No.1007-2]揺れた心
No.1007-2
あれ以来、彼女との距離がグッと縮まったような気がする。
まぁ、僕の勘違いかもしれないが・・・。
「おはようございますぅ!」
「おはよう・・・」
挨拶も少し変わった気がする。
これも僕の勘違いかもしれないが。
「・・・なに?」
「ん?い、いや、おはよう!」
意味もなくもう一度、あいさつをしてしまった。
「じゃあ、また後で!」
「・・・と、いうほどの距離じゃないけどね」
あの日、二人だけが微かな揺れを感じた。
何らかの秘密を共有した・・・そんな気分になった。
「ほら、こっち見てないで仕事、仕事!」
「あぁ・・・だな」
つい彼女のことを考えてしまう。
まるで学生時代に戻った感じだ。
「・・・あれ?メールが届いてる」
送り主は彼女だ。
ついさっき送ったようだ。
「なぁ・・・」
そう言い掛けて、話しかけるのを止めた。
彼女の横顔が妙に照れているように見えたからだ。
(No.1007完)
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