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[No.1005-1]小さな世界

No.1005-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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ベランダで植物を育て始めた。
特に大きな理由はない。

「強いて言うなら、殺風景だったからかな?」

洗濯物を干す以外、用がない場所だ。
近くて遠い、それがベランダだ。

「名言ぽく言わないでよね」
「あはは!かもね」

今では、ベランダが植物で彩られている。
その変わりようは自分でも驚くほどだ。

「それで、色々と気付くことがあって」

もちろん、植物に詳しくなった。
そして、もうひとつ・・・。

「もうひとつ?」
「そう!ある時ね・・・」

ミツバチがせっせと花粉を集めている場面に遭遇した。

「まぁ・・・珍しくはないよね?」

気付けば、もっと小さい何かもゴソゴソしていた。

「えっ!?なにそれ?」
「何だろう、アリのような小バエのような・・・」

この際、種類は気にしない。
小バエは遠慮したいところだが・・・。

「で、もっと隅々に目を向けたらね」

プランターの陰で、一匹のクモが網を張っていた。
そこには餌食となったであろう虫の死骸もあった。

(No.1005-2へ続く)

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