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[No.1002-2]スピログラフ

No.1002-2

「この円がね、別の円の中に・・・」
「あぁー!うまく説明できない!」

僕も何となくだが、思い出してきた。
ただ、彼女と同じように、手がかりがない。

「それ、あれだろ?」
「ほら、不規則に回転してさぁ」

彼女の顔が急に明るくなった。

「そう!それそれ!」
「確か、輪がギザギザになってたよな?」

整理するとこうだ。
大き目の輪の内側がギザギザになっている。
その内側に小さな円を回転させる。

「つまり、歯車みたいだったよね」
「そう!小さな円には穴がいくつも開いてあってさ」

そこに色とりどりのボールペンを刺す。
その状態で、小さな円を回転させると・・・。

「不規則な円の集合体・・・」
「万華鏡のような不思議な模様が描けたよね」

正しいかどうかは別にして、二人とも雰囲気は思い出している。
でも、肝心の名前が分からない。

「どうやって調べる?」
「そうね・・・そのまま調べようか?」

“回転させて模様を書く玩具”でググってみることにした。

「ん!?」

何やら、それらしいものがヒットした。

「・・・ローリングルーラー?」
「・・・スピログラフ?」

予想だにしない名前に、しばらく呆然とした。
1002 
(No.1002完)
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