[No.1005-2]小さな世界
No.1005-2
「うぇ・・・」
「ただ、言うほどグロテクスじゃないよ」
その時、思った。
小さくても大きな世界がここにあると。
「神様ぽい発言ね?」
「なるほど!」
確かに、その世界を創造したのは私だ。
植物を植えたことで生き物が集まり、生態系が作られた。
「大げさだけど、その通りだね!」
「今じゃ、ベランダに出るのが日課」
植物を差し置いて、生き物たちに目が行ってしまう。
何か新しい“住人”はいないかと・・・。
「なんだか楽しそうね」
「そりゃ、もちろん!」
近くて遠かったベランダが、一気に近づいた。
「今度、お邪魔していい?」
「もちろん!生き物が平気ならね!」
聞くまでもなく、平気なのが友人だ。
むしろ、“好き”と顔に書いてある。
「女子では珍しい方かな?私たち?」
「だろうね、きっと!」
「おはよう!」
今日も小さな世界の住人たちに声を掛けてみる。
ザワザワ・・・と、アチコチから音がした。
(No.1005完)
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