[No.1003-1]まるで肩を寄せ合うように
No.1003-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「美味しい目玉焼きの作り方知ってる?」
「卵次第じゃないの?」
卵焼きならいざ知らず、目玉焼きにそんな違いは・・・。
「ひと手間かけると全然違うねん!」
隠し味・・・何か調味料でも混ぜるのだろうか?
でも、見る限り、それらは用意されていない。
「違う!違う!」
「これひとつでいいねん!」
そう言うと、ザルを手に持った。
野菜などの水を切る、何の変哲もないあのザルだ。
「えっ!?それだけで?」
「せや!ボウルもいるな」
今度はボウルを取り出した。
そして、ボウルの上にザルを乗せた。
「もしかして、ザルの上で卵を割るの?」
「当たりぃ~!」
割ればザルに落ちる。
ただ、それだけのように思えるが・・・。
「見ててん!」
「あぁ・・・」
当たり前だが、卵の中身がザルに落ちる。
すると、どうだろう・・・。
「あーなるほど!」
「せやろー!」
白身の一部がポタポタとボウルに落ち始めた。
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