ホタル通信 No.437
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.521 奥の細道
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性
タイトルは、奥の細い道のことではなく、松尾芭蕉の紀行作品のアレです(笑)
タイトルだけでは内容が思い出せない作品は数多くありますが読み直せば、ほどなくして思い出せます。ただ、今回の作品は「なぜ奥の細道なの?」としばらく考え込みました。
もちろん、奥の細道そのものではなく、俳句のことであることは分かっていましたので、正しくは「何の俳句なの?」が正解です。
全く記憶から消えていたので、ググってみると・・・多分、これじゃないかと思われるものがありました。それは、次の俳句です。
『夏草や兵(つはもの)どもが夢の跡』
この小説は「私と新参者との自転車置き場を巡る攻防戦」です。
誰もが一度は・・・とまでは言いませんが、自転車の置き場ではなくとも、自分の居場所を確保するための攻防戦を少なからず経験していると思います。
自転車置き場は、部屋番号が書かれているわけでもないのでどこに駐輪しようが問題はありません。
ただ、暗黙の了解と言いましょうか、だいたい同じ場所に置くのが普通でしょう。私もようやく安住の地を見つけて、さりげなく縄張りを主張するために、盗難防止のチェーンを置いていました。
ところが・・・ここからが小説の後半の展開です。
もちろん、前述した通り、どこに駐輪しても問題はありませんがそれを知ってか、知らずにかは分かりませんが、堂々と駐輪されてしまうと心中穏やかではいられません。
で、この結末も小説の通りです。
急に駐輪場に空きが目立ち始めたのを見て、フッと懐かしむような、それはそれで寂しいような・・・そんな心中を俳句に例えてみました。
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