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[No.993-1]前世はカミナリ様

No.993-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「・・・学会にでも発表する?」

友人が最高レベルの“嫌味”を言ってきた。
けど、そう言いたくなる気持ちも分かる。

「それもいいね」

私がカフェを出た途端、雨足が急に強くなった。
まぁ、いつものことだが・・・。

「ここまで来ると、逆に凄いよ」
「まさに神様級じゃない?」

褒められているのか、ディすられているのか・・・。

「そうね、前世はカミナリ様だったのかしら?」

自分が雨女だということは認識している。
それに、会社の人にもバレている。

「けど、みんな非科学的すぎるよ」
「私の力で雨なんか降らせられないのに」

とは言え、その言葉に力強さはない。
今まで何度、雨空に変えてきたことか・・・。

「分かってるわよ」
「でも、さぁ・・・」

私の顔をジロジロと覗き込む。

「な、なによ!?」
「まぁ、たまには役に立ってるんじゃない?」

だからこそ、同僚と午後の一息を過ごしていた。

「今はこれくらいの雨が丁度いいよ」
「・・・まぁ、それならいいんだけど」

どこにでもある話だ。
目の前の同僚が失恋した。

(No.993-2へ続く)

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