ホタル通信 No.436
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.561 痕跡
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性
う~ん・・・何というか、良く言えば自己満足感が満載のまさしく冬のホタルの王道的作品です。
この小説、超短編の中でも更に短い小説ですね。こんな小説を書いていたとは・・・完全に忘れていました。
とは言え、実話度はそこそこ高めです。構成的には、前半が過去の事実、後半がその回想になっています。小説上の彼女は実在の人物です。
彼女との関係を一言で言えば、仲の良い友達のようなものでした。小説では健全な関係ではなかったと書いていますが、これはややオーバーに表現しています。ただ、彼女には彼氏が居たため、全く健全だったかと言われればそうではありません。
やましいことがなければ堂々と友達として付き合えば良いのでしょうが、彼女は彼氏のことを本気で好きだったわけではなく、止むを得ない事情により、“好き”を演じていたと言えなくもありません。
ですから、僕との関係が例え友達であったとしても波風が立たない保障はなかったわけです。こんなややこしい状況がこの小説というわけです。
彼女も僕たちの関係を知られないように、タイトルにもなっている痕跡を常に消していました。
時は流れ・・・今はどこにもその痕跡は残っていません。唯一、残っていた僕の心の中からも消え去っています。
ただ、時よりすれ違う人波の中に彼女のまぼろしを見ることがあります。それが何を意味しているのか・・・。
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