[No.996-1]コーヒーカップ
No.996-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「ねぇ、トラウマになってることある?」
「なんだよ、唐突に・・・」
まぁ・・・無いと言えば嘘になる。
と言うか、ひとつある。
「私はね!」
聞いてないのに自ら話始めた。
やんわりと僕を追い詰めているのだろうか?
「・・・で、あなたは?」
「君の話で十分だろ?」
でも、これでプールや海に行きたがらない理由が分かった。
それなら、トラウマにもなるだろう。
「なに言ってんのよ」
「私の話は前座なの!」
いつの間にかハードルが上がっている。
そもそも、そんな感じでスタートしていないはずなのに。
「まぁ、その・・・」
「早く言っちゃいなさいよ!楽になるわよ」
まるでカウンセラー気取りだ。
「・・・コーヒーカップ」
「コーヒーカップ?」
そう・・・僕のトラウマはそれだ。
ただ、悔しいからちょっとからかってやろう。
「そう言えば、コーヒー飲めなかったよね?」
「あぁ」
飲めない理由は他にある。
だけど、だますなら今はこの方が都合がよい。
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