[No.992-2]今年のゴーヤ
No.992-2
「で、どうやって食べるの?」
「そうね・・・今年お初だから」
定番中の定番で行こう。
「・・・と言うことは、アレね?」
「わざわざ、アレって言う必要ある?」
そもそも、レパートリーも少ない。
いや、正直、アレしか知らない。
「とにかく、作るわ!」
「出来たら呼んでね」
まぁ・・・招待した手前、我慢するとしよう。
まずは包丁をゴーヤに入れる。
「丁度いい感じ!」
「やっぱり、新鮮ね!」
収穫のタイミングもベストだったようだ。
失敗した経験がようやく生かされてきた。
「タイミングが遅れると黄色くなるのよ、知ってた?」
黄色いゴーヤは市場には出回らない。
育てている人にだけにわかる“あるある”だ。
「そうなの!?」
「そうなんだよ!」
台所とリビングのソフォーとの間で会話が飛び交う。
ゴーヤでこれだけ盛り上がれるのも珍しい。
「さぁ!気合入れて作るわよ!」
「あっ・・・イテテ!」
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