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[No.994-2]幸せな時間

No.994-2

「じゃぁ、たこ焼きは?」
「覚えてるよ、ソフトクリームも売ってたろ?」

ここに来る楽しみでもあった。
たこ焼きをほおばり、ソフトクリームで締めくくる。

「ほんとそうだよね」
「・・・幸せな時間だったな」

そんな店も今は跡形もなく消え去っている。

「そうそう!俺はいつも箱詰め係りでさぁ」
「私もそう!」

適当なお客用のダンボール箱を見つけてくる。
そこに品物を詰める。

「思い出は尽きないね」

周辺もそれなりに変わった気がする。
でも、特徴的に曲がった道路はいまも健在だ。

「そうだ!この辺りに自販機があったの覚えてる?」
「もちろん!」

今の時代、自販機など珍しくもない。
それは当時だってさほど変わらない。

「最近はあまり見掛けない紙コップ式だったろ?」

実はもうひとつ、重要な事実がある。

「昔の店舗の・・・その前って知ってる?」

記憶に薄っすらと残っている。
失礼な言い方だが、倉庫のような薄暗い建物だった。

「・・・知ってる」
「俺たちそんな歳だったっけ?」

幼なじみが笑っている。
その姿は今も昔も変わらない。
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(No.994完)
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