[No.991-1]まずは目の前の・・・
No.991-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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誰もが通る道は言わない。
でも、少なくとも一度は考えたことはあるはずだ。
「俺か?」
「そうだな・・・」
入社5年目にして、会社を辞めたくなった。
理由はひとつじゃない。
「確か・・・3年目の時だったかな?」
「ご多忙にもれず」
3ヶ月、3年、30年・・・一般的によく言われる年数だ。
そのことを言ってるのであろう。
「理由は?」
「何だろう・・・よく覚えてないな」
あえて隠しているわけではなさそうだ。
私に気を遣って。
「ちょっと、一息つけたからかな?」
「ほら、3年も経つともう新人でもないし」
もちろん中堅とは言えない。
でも、都合よくそんな感じで扱われることも少なくない。
「色々見つめ直した時期だったのかもな」
「フッと、そんな気になることもある」
私の場合は・・・自分でもよく分からない。
別に会社が嫌いでもないし、嫌な事があったわけでもない。
「なんだろう・・・ただ漠然とと言うか・・・」
「そう言うものだよ、辞めたい時というのは」
そんな先輩の言葉が有難かった。
変なアドバイスを聞くより、私の心情を理解してくれている。
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