[No.985-1]風に揺られて
No.985-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「珍しいの?」
ベランダで育てているゴーヤを熱心に観察している。
育てていること自体は話したことがあったはずだ。
「実は知ってるけど」
「それ以外は知らんかったわ」
それは言えている。
僕自身も育てて見るまで知らなかった。
「結構、“ひょろひょろ”だろ?」
「うん!びっくりするくらい」
実に似合わず、茎は細い。
これであんな立派な実がなるものだとは信じ難かった。
「それに、雑草感があるしな」
見た目はどこにでも生えている雑草とそれほど変わらない。
「ほんまやね」
「ゴーヤには悪いけどね」
けど、そのギャップが魅力なのかもしれない。
事実、こうして育てている。
「頑張ってるやん!」
「そ、そうかな?」
唐突にお褒めの言葉をいただいた。
ゴーヤは今年で、4年目になる。
「あんたと違う、ゴーヤにゆうてんねん」
「えっ!?そうなの?」
何か勘違いしているらしい。
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