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[No.984-1]金と銀

No.984-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「おっ!懐かしいものを見つけたぞ」
「・・・折り紙じゃん」

それも封を切っていない新品だ。

「それって・・・」
「多分、幼稚園の頃だろうな」

封が切られた折り紙も数冊あった。

「好きだったの?」
「えっ!?覚えてないよ」

好きや嫌いよりも、折り紙で遊んだ記憶も怪しい。
全くと言っていいほど覚えていないからだ。

「ちょっと見せて」
「・・・その封を切ってるやつ」

何やら中身を確認している。

「おいおい・・・別に何も隠してないぞ?」
「・・・やっぱりね」

(やっぱり?)

「何がやっぱり何だよ?」
「まぁ、“折り紙あるある”って言えばいいのかな?」

そう言うと、今度は封を切っていない折り紙に手を付けた。

「いいでしょ?」
「・・・あぁ、構わないよ」

別にプレミアム価格が付くようなお宝でもない。
それに何の思い入れもない。

(No.984-2へ続く)

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