[No.984-1]金と銀
No.984-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
「おっ!懐かしいものを見つけたぞ」
「・・・折り紙じゃん」
それも封を切っていない新品だ。
「それって・・・」
「多分、幼稚園の頃だろうな」
封が切られた折り紙も数冊あった。
「好きだったの?」
「えっ!?覚えてないよ」
好きや嫌いよりも、折り紙で遊んだ記憶も怪しい。
全くと言っていいほど覚えていないからだ。
「ちょっと見せて」
「・・・その封を切ってるやつ」
何やら中身を確認している。
「おいおい・・・別に何も隠してないぞ?」
「・・・やっぱりね」
(やっぱり?)
「何がやっぱり何だよ?」
「まぁ、“折り紙あるある”って言えばいいのかな?」
そう言うと、今度は封を切っていない折り紙に手を付けた。
「いいでしょ?」
「・・・あぁ、構わないよ」
別にプレミアム価格が付くようなお宝でもない。
それに何の思い入れもない。
| 固定リンク | 0
「(040)小説No.976~1000」カテゴリの記事
- [No.1000-2]ゴールor通過点?(2020.08.26)
- [No.1000-1]ゴールor通過点?(2020.08.25)
- [No.999-2]前向きな靴(2020.08.23)
- [No.999-1]前向きな靴(2020.08.20)
- [No.998-2]続く命(2020.08.05)
コメント