[No.984-2]金と銀
No.984-2
「どれどれ・・・」
また、中身を確認している。
「あったぁ!」
「あっ!」
彼女が何を探していたのか、すぐに分かった。
それを見せられたからだ。
「金と銀ね!」
「そっ!」
地味な折り紙の中にあって、ひと際、目立つ存在。
そう言えば、当時も大人気だった気がする。
「それは記憶に残ってる・・・」
「圧倒的な存在だったよね!」
他の色は何枚も入っているのに、金と銀はそれぞれ1枚だけだ。
「・・・何に使ったんだろうね」
「封を切ってたやつ」
そう言われてみればそうだ。
金と銀はすでに使われていた。
「まぁ、無難なところで鶴とか、兜とか?」
「私なら・・・」
女子なら・・・何だろう?
意外に思いつかない。
「・・・私なら?」
「平凡でいいや?」
「なにそれ?!」
この会話から25年後にようやくその意味がわかった。
(No.984完)
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