[No.978-2]麩菓子
No.978-2
「昔はこんなパターンが多かったかもしれないね」
他にも同じシステムを採用していた駄菓子があった。
「それはそうと、先を聞かせてよ」
ハズレがあるということは、当然アタリもある。
ただ、そのアタリに夢があった。
「早く聞かせなさいよ」
「アタリは確か・・・3等からあったかな」
アタリに応じて、数ではなく、大きさが変わった。
1等ともなると、相当の大きさだった。
「えぇーどれくらい!?」
「太さは・・・これくらいかな?」
自分の手首を指さす。
「でかっ!」
「・・・と思うだろ?」
実はその上があった。
1等と言えども足元にも及ばない大きさだった。
「その上・・・?」
「あぁ、“特賞”ってやつがね」
手を開いて見せる。
「まさか、手のひらサイズなの!?」
「そっ!」
何かに例えられないのが悔しい。
想像以上に重厚感があった、見た目も手伝って。
「うらやましいぃ!」
ただ、見た記憶はあっても食べた記憶はない。
それがちょっと残念だが・・・。
(No.978完)
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