[No.981-2]見えない力
No.981-2
「ちょっと寄っていかない?」
「私もそう思ってた!」
何となくその店に立ち寄りたくなった。
「これ・・・」
「どうしたの?」
友人が早速何かを見つけたようだ。
雑貨屋だけに、ワクワクする品が所狭しと並んでいる。
「あっ・・・」
「でしょ!?」
私が持っているブリキのおもちゃが売られていた。
それは別の友人からプレゼントされたものだった。
「もしかして、ここで買ったのかな?」
「・・・かもしれない」
当時、色々と探し回ったと聞いていた。
レトロ好きの私のために。
「そう言えば、今どこにあるの?」
「それが・・・」
数年前に引っ越しした時に行方不明になった。
とは言え失くしたわけじゃない。
「荷をほどいていない箱がいくつかあって・・・」
「その中に?」
多分、そうだと思う。
荷ほどきするタイミングを逸して今日まできてしまった。
「カフェじゃなくて」
「どうやら、そっちだったようね」
行きつけのカフェは私たち3人の憩いの場所だった。
(No.981完)
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