« [No.971-1]飛べない鳥 | トップページ | [No.972-1]嫌いな理由 »

[No.971-2]飛べない鳥

No.971-2

「怖がらせたらあかんよ」
「ごめん、ごめん」

そうこうしている内に、その鳥が動き始めた。
やはり、怪我をしているらしい・・・歩き方が変だ。

「なんだか、びっこひいてない?」
「せやね」

歩いていると言うより、ピョコンと飛び跳ねている感じだ。
それも片足だけで・・・。

「・・・どうする?」
「う~ん」

このままだと、大型の鳥や猫に狙われるだろう。
もちろん、心無い人間にも。

「とりあえず、捕まえてみようか?」

これで捕まってしまうようなら、保護が必要だろう。
幸いにも、近くに動物病院がある。

「うん!分かった」
「じゃ、そぉ~と・・・」

と、更に近づいて手を伸ばした瞬間・・・。

「あっ!」
「あっ・・・」

大空高く飛んでいってしまった。

「何だよ!元気じゃん!」
「心配して損したよ、なぁ?」

彼女に同意を求める。
でも、空を見つめたまま返事がない。

「・・・」
「大丈夫だよ、きっと!」

目の前の彼女がそうであったのと同じように。
S971
(No.971完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.971-1]飛べない鳥 | トップページ | [No.972-1]嫌いな理由 »

(039)小説No.951~975」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.971-1]飛べない鳥 | トップページ | [No.972-1]嫌いな理由 »