[No.971-2]飛べない鳥
No.971-2
「怖がらせたらあかんよ」
「ごめん、ごめん」
そうこうしている内に、その鳥が動き始めた。
やはり、怪我をしているらしい・・・歩き方が変だ。
「なんだか、びっこひいてない?」
「せやね」
歩いていると言うより、ピョコンと飛び跳ねている感じだ。
それも片足だけで・・・。
「・・・どうする?」
「う~ん」
このままだと、大型の鳥や猫に狙われるだろう。
もちろん、心無い人間にも。
「とりあえず、捕まえてみようか?」
これで捕まってしまうようなら、保護が必要だろう。
幸いにも、近くに動物病院がある。
「うん!分かった」
「じゃ、そぉ~と・・・」
と、更に近づいて手を伸ばした瞬間・・・。
「あっ!」
「あっ・・・」
大空高く飛んでいってしまった。
「何だよ!元気じゃん!」
「心配して損したよ、なぁ?」
彼女に同意を求める。
でも、空を見つめたまま返事がない。
「・・・」
「大丈夫だよ、きっと!」
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