[No.971-1]飛べない鳥
No.971-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「あれ?」
彼女が急に視界から消えた。
けど、すぐさま足元でしゃがみこんでいるだけと分かった。
「どうしたの!?急に・・・」
「そんな大きな声、出さんといて」
「ご、ごめん・・・」
意味も分からず、とりあえず謝ってしまった。
僕が何かしたとでも言うのだろうか・・・。
「それより、見てん・・・」
そう言うと、目線の先を指差す。
「・・・あっ」
「せやろ?」
一羽の鳥が地面で休んでいる。
休んでいる・・・と言う表現が正しいかどうかは別にして。
「よく分かったな!?」
「目は良いほうやねん!」
雑草に紛れるような感じで休んでいる。
さすがに鳥の種類までは分からない。
「何してるんだろうね」
野生を相手にしているわりには距離が近い。
2、3歩あるけば手が届きそうな距離だ。
「怪我・・・してるんやろか?」
「かもしれないな」
発見してから、数分は経過しているはずだ。
それでも一向に逃げる気配がない。
「もうちょっと近づいてみようか」
気持ち前に一歩踏み出す。
さすがに、こちらが気になるようだ。
地面をついばむのをやめ、こちらを凝視している。
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