[No.977-2]あの木
No.977-2
「なんで今頃?」
「そうなんだよな・・・」
実在はしていたけど、大昔の木が夢に出てくる。
そこに何の想い出も思い入れもないのに。
「だから逆に気になっちゃって・・・それで」
何か不思議な力に導かれるかようにアルバムを探した。
その木を見つけなきゃならない衝動に駆られたと言っても良い。
「で、あったの?」
「うん、一枚だけ」
おそらく中学校に入学した時に写したものだろう。
着こなせていない学生服と幼い自分の顔がそれを物語っている。
「そんな時じゃなきゃ、写真撮らないもんね」
丁度、その木と並ぶような感じで撮られていた。
「でね、ここからが本題なんだけど・・・」
「えっ!?木の話じゃないの?」
実は気になったのは木のことじゃない、洒落じゃないけど。
「さっき、“衝動に駆られた”って言ったろ?」
「うん」
その木の写真を見つけた時に何らかの答えがあると思った。
「どういう意味!?」
写真を見つけたページには他にも写真が収められていた。
「だよね、アルバムだもん」
「えっ!?そこにどんな写真が・・・」
(No.977完)
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