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[No.973-1]ここにも春が

No.973-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「ようやくだね」
「そうだね」

多くの桜で開花が始まった。
殺風景だった枝もようやく色付き始めた。

「やっぱりこれがないとね!」

やはり桜が咲かないと春が来た気がしない。
この感情は決して私だけじゃないと思う。

「ねっ!そうでしょ!」

それにしても、この桜の木は樹齢何年だろうか・・・。
他の桜の木と比べても貫禄があり過ぎる。

「ほんと立派な桜だねぇ」
「まるで“主”って感じね」

それこそ神が宿る木・・・そんな風にも見えなくもない。

「ねぇ、ねぇ、どう思う?」

友人に同意を求める。
ゲーム好きの彼女なら、こう答えるだろう。

「村にある“伝説の木”みたいでしょ?」

言わば村の長老と似たような立場にある。

「この木は何でも知っている・・・なんてね!」

私も随分と友人に毒されたものだ。
すっかり、ゲームの世界観を理解している。

(No.973-2へ続く)

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