[No.976-1]時々、女子に
No.976-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「あれ・・・どこいったかな?」
さっきから何かを探しているようだった。
でも、声を掛けられていないのでとりあえずスルーしている。
「おかしいな・・・」
「ねぇ・・・聞こえてる?」
予想通りだ。
そろそろ矛先が僕に向くころだと思った。
「探しものか?」
「見れば分かるでしょ!?」
つい反論したくなる。
でも、今はやめておこう。
「そうだね、で、何を?」
「これよ、これ!」
音楽プレーヤーを目の前に差し出してきた。
どうやら“相棒”を探しているようだ。
「ヘッドホン?」
「そう!」
彼女と付き合うにはこれくらいは最低必要だ。
「一緒に探してあげるよ」
“探してあげようか?”ではないこともポイントだ。
口を滑らせるとどんな結末が待っているやら・・・。
「そう・・・そう言うなら」
彼女の気の強さは僕にとっては心地よく感じる。
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