[No.974-1]After Tone
No.974-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「・・・ん?」
「どうしたの?」
友人が何か見つけたようだ。
とは言っても今はそんな場合じゃない、本当は。
「このCD懐かしいね!」
「ちょ、ちょっと・・・」
さっきから手伝ってるのか邪魔してるのか分からない。
何かにつけ手が止まる。
「まだ持ってたんだ?」
「別にいいでしょ!?」
高校生の時に買ったCDだ。
でも、その頃に発売されたものではない。
「やっぱり忘れられないんだぁ?」
「何によ、その“だぁ”って!?」
言い方が引っ掛かる。
少なくとも心配されているようには聞こえない。
「まぁ、そんなに突っかからないでよ」
そう仕掛けているのは友人の方だ・・・と言いたい。
「ねぇ・・・久しぶりに聞いてみない?」
「今!?」
繰り返すが今はそんな場合じゃない。
引っ越しがもう明日に迫っているからだ。
「パソコンは最後にしまうんでしょ?」
「まぁ、そうだけど・・・あなた・・・」
全てを答え終わる前にすでにパソコンの前に座っていた。
間髪入れずに“カチャリ”とトレーが開く音が聞こえた。
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