[No.965-1]女優顔
No.965-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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前から気になっていたことがある。
今日、それを確認してみることにした。
「ねぇ?」
「な、なんだよ・・・朝から」
いけない・・・少し警戒されている。
さりげなく話を進めて行こう。
「ほ、ほら、いつも笑顔じゃん!」
「電車の中でも」
満員電車に揺られているはずなのに毎朝、笑顔だ。
ある意味、仏のようにも見える。
「そう?意識してないけどな」
「私なんて・・・」
逆に鬼の形相だ。
何度足を踏まれて、睨み返してきたことか・・・。
「満員電車辛くないの?」
「そりゃ・・・ね、大変だけど・・・」
(大変だけど何?)
「まぁ、それ以上の幸せがあるからね!」
「なにそれ・・・」
こいつに彼女がいないことは知っている。
それ以外で幸せなことがあるのだろうか?
「聞きたい?」
「・・・まぁ、聞いてあげてもいいけどぉ」
願ってもいないチャンスだ。
ついでに何か進展があるかもしれない。
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