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[No.970-1]ここは私の場所

No970-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「こっちに来れば?」

彼女が道路側を歩いている。
歩道を歩いているとは言え、こちらの方が安全だ。

「いいよ、こっちで」
「危なくないか?」

最近、物騒な事故も多い。

「大丈夫よ、でもありがとう」
「それならいいけど」

そう言えば、必ず彼女は僕の右側を歩く。
別にそう決めたわけでもない。

「右?」
「そう言えばそうよね」

彼女も特に意識していなかったようだ。
それについては僕も同じだ。

「一度位置が決まると・・・ね」
「何だか、おさまりが悪くて」

確かにそうだ。
彼女に左を歩かれると、僕も何だか落ち着かない。

「まぁ・・・そうだな」
「でしょ?」

例え左側に立ったとしても、自然にその形になる。

「不思議ね」
「これが僕たちの形じゃない?」

今まではどうだったか・・・。
正直覚えていない。

(No.970-2へ続く)

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