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[No.967-1]気が早い桜

No.967-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
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「やっぱり、まだ見たいね・・・」

近くに寄らなくても咲いていないのは分かる。
見渡せば周り一面、寂しそうな枝ばかりだ。

「そりゃそうだろ?」
「だってぇ・・・」

暖冬の影響でいち早く桜が咲いたとのニュースを見た。
市内の“どこか”で桜が咲いたと・・・。

「確かに今日も暖かいけど」
「さすがに桜は早いだろ?」

そう言われると身もふたもない。

「それに肝心の場所が分からないんじゃ・・・ね」
「そう畳み込まないでよ・・・」

勢いだけでここに来た。
市内で最も有名な桜の名所だ。

「ここだと思ったんだけどなぁ」
「まぁ、可能性は高いけどな」

数本程度、梅の花なら咲いている。
ただ、これだけの敷地には無勢に多勢と言った感じだ。

「どうする・・・帰る?」
「う、うん・・・」

そもそもなぜ桜を見に行く気になったのだろうか。
時期が来れば、いくらでも見れるというのに。

(No.967-2へ続く)

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