[No.967-1]気が早い桜
No.967-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
-----------------------------
「やっぱり、まだ見たいね・・・」
近くに寄らなくても咲いていないのは分かる。
見渡せば周り一面、寂しそうな枝ばかりだ。
「そりゃそうだろ?」
「だってぇ・・・」
暖冬の影響でいち早く桜が咲いたとのニュースを見た。
市内の“どこか”で桜が咲いたと・・・。
「確かに今日も暖かいけど」
「さすがに桜は早いだろ?」
そう言われると身もふたもない。
「それに肝心の場所が分からないんじゃ・・・ね」
「そう畳み込まないでよ・・・」
勢いだけでここに来た。
市内で最も有名な桜の名所だ。
「ここだと思ったんだけどなぁ」
「まぁ、可能性は高いけどな」
数本程度、梅の花なら咲いている。
ただ、これだけの敷地には無勢に多勢と言った感じだ。
「どうする・・・帰る?」
「う、うん・・・」
そもそもなぜ桜を見に行く気になったのだろうか。
時期が来れば、いくらでも見れるというのに。
| 固定リンク | 0
「(039)小説No.951~975」カテゴリの記事
- [No.975-2]話したいこと(2020.04.17)
- [No.975-1]話したいこと(2020.04.16)
- [No.974-2]After Tone(2020.04.14)
- [No.974-1]After Tone(2020.04.12)
- [No.973-2]ここにも春が(2020.04.10)
コメント