[No.969-1]お互い大変ね・・・
No.969-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「ん、なに?」
友人がしきりに顔を横に動かしている。
何か合図を送っているようだ。
「もぉ・・・ほら・・・と・・・なり・・・」
今度は小声も加わった。
どうやら隣を見ろという合図らしい。
(なにかあったっけ?)
隣には、私たちよりも先に女性が二人座っていた。
おばさんと言うより、おばあちゃんに近い。
「わ、わかったから・・・」
さりげなく隣に目を向ける。
特に・・・変わったところはない。
「普通・・・よね?」
「じゃなくて、料理よ、料理」
隣に悟られないためだろう、断点的な会話が続く。
「・・・料理?」
この店は魚料理に定評がある。
メニューのほとんどは魚がメインだ。
そのせいもあって、特にシニアの人に人気がある。
「料理ねぇ・・・ん?」
「ん?」
思わず二度見してしまった。
「逆じゃん!?」
「でしょ!」
どうやら食べている料理のことを言いたかったらしい。
「・・・カツだよね?」
「うん」
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