[No.965-2]女優顔
No.965-2
「同じ車両にすごい美人が居てさぁ・・・」
(なにぃ~!)
「君もそうだろ?同じ時間、同じ車両に乗り込む」
「そ、そうだけどさぁ・・・」
聞けば、単に美人というわけじゃないらしい。
「何だろう・・・“女優顔”って言えばいいのかな?」
「すごく“映える”顔してて」
話をしている最中も満面の笑みだ。
よほどの人物らしい。
「ふ~ん・・・それなら毎日笑顔にもなるわよね!」
「な、なんだよ?俺、怒られてる!?」
男が美人に弱いのは承知の上だ。
けど、今回は許しがたい。
「良かったわね!満員電車に“女神”が居て!」
彼がキョトンとした顔をしている。
「あっ・・・ごめん・・・」
つい感情的になってしまった。
「けどさぁ・・・なんで知ってるの?」
「俺が電車の中でニヤケてること」
しまった・・・つい口を滑らせてしまった。
さっき“電車の中でも”・・・と、つい・・・。
「・・・ん?ニヤケテるの!?」
素直に“好きです”と言える日がくるのだろうか・・・。
(No.965完)
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