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[No.963-2]夜のサギ

No.963-2

「多少、街灯があるから・・・」

周辺は、真っ暗闇ではなかった。
でも、川底まで光が届くほど明るくはない。

「夜もそんなことするんだ!ってビックリしたよ」

驚きと共に、野生のたくましさもみた気がした。
生きるために必死なのだと・・・。

「なるほど・・・」
「いやにあっさり同意するわね」

気持ち悪いくらい、反応が良い。

「で、獲物は獲れてたみたいだった?」
「さすがに、そこまでは・・・」

見えなかったというより、見ていなかった。
そこまで見ていられるほど暇でもない。

「そう・・・」
「なによ?」

急にテンションが落ちたように感じる。

「まぁ、どちらにしても、私たちと同じだね」
「ん?どういこと?」

同僚が意味深なことを言い放った。

「いいからいいから!」
「それより、早くしないとお店に遅れちゃうよ!」
S963
(No.963完)
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