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[No.959-2]奇妙な踊り

No.959-2

「何だよ、笑ってるじゃん!」
「せやかて~」

正月らしい、何とも平和な時間が流れる。
それもこれも、こいつの存在が大きい。

「これ、どこに置いとく?」
「そうだな・・・」

せっかくなので、目につく所に置いておきたい。
縁起を担ぐ意味でも。

「車の中なんてどう?」
「“先住民”もいることだし・・・」

先住民は、ドアポケットにちょこんと居座っている。

「せやな・・・交通安全もあるしな」

関係ないけど、そういうことにしておこう。
雰囲気はそう遠くもない。

「行き先が決まって・・・めでたい!」

さっきよりも上機嫌だ。
それをつかむと、それが泳いでいるフリをし始めた。

「めでたい!めでたい!」

そう言いながら、体をユラユラと揺らして踊り始めた。

「・・・なに冷めてるねん!一緒に踊るで!」
「えぇー!そうなの!?」

奇妙な踊りから1年がスタートした。
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(No.959完)
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