[No.958-1]時代の流れ
No.958-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「えっ!?」
店の前に大きな張り紙がしてあった。
「ねぇ、知ってた?」
「・・・もしかして」
友人のことだ。
すでに目にしているはずだ。
「閉店するんだって」
「・・・みたいね」
言わずとも通じていたようだ。
「私なんか週に一度は通っていたもんね」
“行っていた”ではなく、“通っていた”ところに想いを感じる。
確かに私も“通っていた”からだ。
「横着して“お奨めは?”なんて聞くこともあったし」
「私なんて・・・」
映画のタイトルが思い出せない時、助けてもらった。
「ほら・・・こんな感じの俳優が出てる映画・・・なんてね」
まるで難しいクイズを出しているようだった。
それでもちゃんと答えてくれた。
「プロだよね」
「うん、言えてる」
そんな頼もしい店員が居た近所のレンタルショップが閉店する。
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「(039)小説No.951~975」カテゴリの記事
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