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[No.957-1]自然と文明の境界

No.957-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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久しぶりに地元の友達と会った。

「ほんと、変わったよね?」
「このあたりは特にね」

今、通過中のこの橋には強い“思い入れ”がある。
言葉の使い方は決して正しくはないが・・・。

「昔さぁ、向こうに行くの大変だったよね?」

家のすぐそばを大きな川が流れていた。
だから向こうに行くには、必然的に橋を渡ることになる。

「私はまだマシな方だったけど」

ただ、家の近くに橋が無かった。
そのために、相当遠くの橋を渡る必要があった。
極端に言えば、目の前にある場所に行くにも・・・だ。

「もし、近くに橋があったら、数分で行けるのにね」

既存の橋を使えば、その10倍近い時間が掛かった。

「それが、今じゃねぇ・・・」

ある意味、悲願とも言える“近く”に橋が架かった。
地元を離れてから、5年くらい経過した頃に。

「嬉しいやら悲しいやら」

格段に便利にはなったが、私はその恩恵を受けていない。

(No.957-2へ続く)

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