[No.951-2]憩いの場所
No.951-2
「喫茶店は喫茶店なんだけど・・・」
よく見掛けるチェーン店のカフェになっていた。
「そうなんだ・・・想い出の場所だったのにね」
高校の時、初めて女性と付き合った。
その時の初デートの場所だった。
「帰る場所を失った・・・そんな気分だったよ」
他にも馴染みだった店を訪ねてみた。
でも、その店もなくなっていた。
「友達と学校帰りによく立ち寄ったな」
地元以外でもそこそこ有名な模型店だった。
「何も買わないのにさぁ・・・」
「そんなものでしょ?学生のころなんて」
いわば、憩いの場所的存在だった。
買わずに眺めるだけ・・・それでも至福の時が流れた。
「当時、流行っていた・・・」
“ガンプラ“が目当てだった。
「男の子らしいね」
「でも、行って良かったよ」
忘れていたものを取りに行った気分だった。
そして、そこに何かを置いてきたもの事実だった。
(No.951完)
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