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[No.955-2]長い呪縛

No.955-2

「正解は・・・さつまいもの茎」

友人が“ポカン”とした顔をしている。

「イメージはできるでしょ?」

小学生の時、授業で芋掘り体験があった。
私たちの学校では・・・ということになるが。

「そりゃ、私たちの学校でもあったからね」
「でも・・・食べれるんだ、アレ?」

実家の畑でさつまいもを育てていた。
畑と言っても借り物の小さな畑だった。

「子供の頃はさぁ・・・なんていうか・・・」

それが“貧乏くさく”見えた。
私には雑草としてしか見えなかったからだ。

「食べると美味しいんだけどね」

だから、友達も話さなかった。
どこかに恥ずかしい気持ちもあったからだ。

「先週、実家に帰ったら・・・」

料理としてではなく、酒の“アテ”として母が作ってくれた。

「なんか、一味も二味も美味しくて」
「大人になったね」

小さくうなづいた。

「それで、長年の疑問が気になって」
「ネットで調べてみたら・・・」

自分だけじゃなかったんだと初めて知った。

「みんな普通に食べてるんだもん!」
S955
(No.955完)
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