[No.952-2]光になりたい
No.952-2
「・・・足りない?」
「そや、足りない」
何が足りないと言うのだろうか?
もしかして・・・。
「中身ってこと?」
「ん!?そやなぁ・・・!」
自分自身でも気付いていなかったみたいだ。
その足りない何かを。
「まぁ、確かに・・・」
「何かを入れることはできるけどな」
ランタンとは言え、小物入れとしても使える。
光に照らされて幻想的な雰囲気も作り出せそうだ。
「何かないかな?」
「あるやろ、ピッタリなやつが!」
さっきとは打って変わって積極的になっている。
・・・ということはアレ、いや・・・あいつしかいない。
「せいじゅうろう?」
「決まってるやろ!」
そう言うと、ガサゴトと引き出しを物色し始めた。
「・・・ほら!ちょうどええやつがおったやん!」
「なるほど!」
ビンの中で、せいじゅうろうが光る。
今、ようやく長年の夢が叶った気分だった。
(No.952完)
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