[No.954-2]上から目線
No.954-2
「あなた、そんな“ちっちゃい”人だった!?」
「それは身長、それとも心?」
嫌味っぽく返した。
「もちろん、後者よ」
「逆に笑ってるネコなんて見たことがないよ」
冷静に切り返されると言い返せない。
「ネコって基本、こんな顔よ」
「そ、そうかな・・・」
ただ、どうしても上から見られていることが気になる。
用事があるなら“降りて来い!”と言いたい。
「そう言わずに歩み寄ってみたら?」
「向こうが興味を持っているかもしれないわよ」
確かに目が合うのは興味がある印かもしれない。
「まぁ、そこまで言うなら・・・」
「じゃあ、明日いい写真を期待してるわよ!」
(なによ・・・)
しばらく睨み合いが続いた。
「・・・ほら、やっぱ・・・」
そう諦めかけた時、そいつが屋根から降りてきた。
「えっ!なんだぁ、もぉ!」
手を差し伸べてそいつを迎える。
けど、その手をすり抜けて、草むらへ消えて行った。
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