[No.951-1]憩いの場所
No.951-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「無くなってる・・・?」
多分、この場所にあったはずだ。
外観こそ変わったが、建物自体は面影を残しているからだ。
「・・・年ぶりに行ってきたよ」
「みゆき通りに」
実家に戻ったついでに、フッと行きたくなった。
高校を卒業して以来だった。
「たまに話しに出る、例の“通り”ね?」
「あぁ、そうだよ」
今更ながら足が向いたことには理由があった。
でも、それは隠しておきたい。
「どうだった?」
「・・・どうだろう」
記憶の中では、もう少し活気に溢れていたように思える。
人通りもそれなりにあった。
「若干、さびれた感はあったかな」
「そう・・・で、例の店は残ってた?」
彼女の言葉で思い出した。
その話をするつもりだったからだ。
「それが・・・」
建物はあったが、違う店になっていた。
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