[No.956-2]大掃除
No.956-2
「なかなかいいんじゃない?」
「じゃ、開けるね」
おもむろに箱から中身を取り出す。
「おっ!色は俺好みだよ」
とは言え、大きさが重要だ。
「どう?」
彼女がそれを手渡す。
大きさといい、質感も悪くない。
「これ・・・すごくいいよ!」
「そう!それは良かった!」
丁度いい小物入れがなくて困っていた。
これなら今使っているカバンにもジャストフィットする。
「よく見つけたな」
「まだ、こんなに残っているのに」
この山の中から選ぶとは、彼女の目利きも大したものだ。
(目利き・・・ん?)
「これ・・・さぁ・・・選んだのは偶然?」
あくまでも“外箱”の大きさだけで彼女はこれを手にした。
もちろん、中身を知るはずもない。
だからこその“目利き”なのかもしれないが・・・。
「き、決まってるじゃない!」
「何だよ、動揺してないか?」
大きさといい、色といい・・・それに質感まで・・・。
俺の好みを全て兼ね備えている。
「別にぃ!まぁ、いいじゃない!」
「後は私が片付けておくから、これでおしまい!」
(No.956完)
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