[No.940-1]良く効く薬
No.940-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「ねぇ・・・胃薬持ってない?」
「・・・大丈夫?」
同僚の顔色がやや悪い。
理由は分かっている。
「遅くまで飲むからよ」
「だって・・・」
連日、送別会やら歓迎会が続いている。
それは同じ部署の私も同じだ。
「ほどほどにしなきゃ!」
「もう若くないんだから・・・」
30歳にもなれば、もう立派な“おばさん”だ。
高卒の新入社員とは一回りも歳が離れている。
「ごめん・・・つい・・・」
いつも率先して幹事を努めてくれる。
それに関しては感謝している。
「幹事が先に酔いつぶれちゃうんだから・・・」
中締めの頃には、だいたいそうなっている。
昨日もそうそうに酔いつぶれていた。
「新人てさぁ、息子や娘の感覚だよね?」
歳を重ねるごとに、母性が強くなっているように見える。
「その前に、彼氏を作んなきゃね!」
「イテテ・・・胃が・・・」
うそ臭い演技と共に、手を伸ばしてきた。
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