[No.940-2]良く効く薬
No.940-2
「はいはい、薬ね・・・」
こんな時に備えて、何種類かの薬を持ち歩いている。
胃薬はその代表だ。
「サンキュー!」
「私はあなたの薬箱じゃないのよ?」
自分で飲むより、圧倒的にあげる方が多い。
そのほとんどを目の前の同僚が消費している。
「まぁまぁ、そんなこと言わないのぉ!」
「・・・ったくもうぉ・・・」
それにしても、昨日は特に盛り上がった歓迎会だった。
盛り上がった分、同僚のダメージも大きいみたいだ。
「今日・・・大丈夫?」
「もちろんよ!」
今日は今日で送別会がある。
「まぁ、その元気だけは見習いたいわね」
「でしょ?」
その元気のお陰で、会はいつも盛り上がっている。
「ほら、ひどくなる前に、薬飲んだら?」
「そうする」
そう言うと、水もなしに錠剤を口に放り投げた。
手馴れているというか、雑と言うか・・・。
「あなたからもらった薬は良く効くのよね~」
「成分が違うからじゃない?」
(No.940完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(038)小説No.926~950」カテゴリの記事
- [No.950-2]半年先にあるもの(2019.12.01)
- [No.950-1]半年先にあるもの(2019.11.30)
- [No.949-2]目薬(2019.11.28)
- [No.949-1]目薬(2019.11.27)
- [No.948-2]モジモジ(2019.11.24)
コメント