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[No.940-2]良く効く薬

No.940-2

「はいはい、薬ね・・・」

こんな時に備えて、何種類かの薬を持ち歩いている。
胃薬はその代表だ。

「サンキュー!」
「私はあなたの薬箱じゃないのよ?」

自分で飲むより、圧倒的にあげる方が多い。
そのほとんどを目の前の同僚が消費している。

「まぁまぁ、そんなこと言わないのぉ!」
「・・・ったくもうぉ・・・」

それにしても、昨日は特に盛り上がった歓迎会だった。
盛り上がった分、同僚のダメージも大きいみたいだ。

「今日・・・大丈夫?」
「もちろんよ!」

今日は今日で送別会がある。

「まぁ、その元気だけは見習いたいわね」
「でしょ?」

その元気のお陰で、会はいつも盛り上がっている。

「ほら、ひどくなる前に、薬飲んだら?」
「そうする」

そう言うと、水もなしに錠剤を口に放り投げた。
手馴れているというか、雑と言うか・・・。

「あなたからもらった薬は良く効くのよね~」
「成分が違うからじゃない?」
S940
(No.940完)
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