[No.936-2]ロックとクラシック
No.936-2
「まぁ、あなたじゃないけど・・・」
「秋が来たってことよ」
これも秋の訪れを告げる風物詩のひとつだろう。
秋風と共に、それを運んできた。
「つい、この前までは・・・」
「あいつらだったのにね」
友人が言う“あいつら”は“あいつら”に他ならない。
「そうそう!朝から勘弁して!って感じ」
「でもさぁ、聞こえなければ聞こえないで、寂しくない?」
今度は友人が詩人ぽい。
「そりゃ・・・ね」
もう、数週間前から聞こえなくなっていた。
まるで活躍の場を失ったかのように。
「言うなれば主役交代だね!」
「うまいこというよね」
本当にそう思う。
「でも、上手くできてるよね、自然って」
「そうだね」
ロックが終わり、さながらクラシックと言ったところだろうか。
(No.936完)
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