[No.933-2]歴史的発見?
No.933-2
「それって・・・」
さすが友人、察しがいい。
さっきの“親子”というキーワードを理解している。
「何ガメ?外来種?」
「そ、そっちぃ!?」
多分、日本固有の種だと思う。
特別詳しくもないが、いたって地味な感じだったからだ。
「じゃぁ、なにがどうしたわけ?」
群れをなして、甲羅干ししているところは良く見掛ける。
でも、連なって泳いでいるところは見たことがない。
「たまたま泳いでるというより・・・」
小さなカメが、大きなカメに遅れまいと必死だったように見えた。
流されているのではなく、明らかに泳いでいた。
「普通、有り得ないじゃん」
「だって、親子で行動するのは無理でしょ?」
知る限り、卵を産んだら、それで終わりだ。
海ガメをイメージすれば分かりやすい。
「そう言われると、そうねぇ~」
・・・とすると、あの小さなカメは何者だったのだろうか?
「それにしても、目の付け所に非凡さを感じるわ~」
「かるくディスられてる?」
でも、何か温かいものを見た気がする。
「カメの親子を見たの、私が初めてじゃないのかな?」
(No.933完)
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