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[No.935-2]見えない命

No.935-2

「でもさぁ・・・なんで土が濡れてるの?」

何も植えていないはずなのに、十分過ぎるほど濡れている。
プランターの底から、水が流れ出した跡もついている。

「これから何か、育てるつもり?」
「あっ・・・そ、そうね・・・」

ここにきて急に歯切れが悪くなっている。
明らかに何かを隠している表情だ。

「・・・言えない植物?」
「怖いこと言わないでよ・・・」

冗談ぽく言ったものの、大いに気になる。

「じゃあ、なに?」
「あれよ、あれ・・・」

そう言うと、人差し指と親指で輪を作った。

「・・・なに?」
「ほら、これくらいの・・・」

もう一度、その輪を作ってみせた。

「・・・あ、あぁ!あれね!」

その輪が、もう“あれ”にしか見えないから不思議だ。

「ほら、水くらいは必要でしょ?」
「そうだね・・・で、居たの?」

友人が小さく首を立てに振った。
S935
(No.935完)
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